2013年7月26日金曜日

立花③ 鉄砲百合の三種使い

2013年7月25日(木)1:30~4:30

立花正風体(りっかしょうふうたい) 】

立花正風体は池坊立花の伝統的な美感と、七つあるいは九つの役枝からなる構造を基本とし、花形の骨組にならって構成されます。また、複雑で多彩なその構成は、自然のおもかげや雄大な風格を表出します。

  ◆ 除真立花(のきじんりっか) 本勝手(左手に真)…真が中心線よりずれている
 ◆ 直真立花(すぐしんりっか) 真が中心線上

鉄砲百合(真・請・控枝)


先生 横


出・出所(しゅっしょ)~中心から枝分かれするところ
全ての役枝は、出の位置と方向が決まっている。

【役枝の名称と働き】
名称 働き 長さ 出所
①真(しん) 真は一瓶の役枝の中心となる重要な枝。 器の3倍 中段除(ちゅうだんのき)
②正真(しょうしん) 正中線上に位置し、他の役枝の配置の基準となる。 真の1/2 下から
③請(うけ 陰方(右)斜め後ろへ。 真7:5 真と花器口の1/2(下段除)
④副(そえ) 真の除き口の下から、陽方の真に沿うようにでて、枝先は真の斜め後ろへ向かう。
真のすぐ下から
⑤控枝(ひかえ) 陽方下doneから出て副のしたの空間を整える。流枝とは違う素材で、流枝より少し高く。 真7:3 請と流枝の1/2
⑥流枝(ながし) 請と控枝とのバランスをとって。請と違う素材で。 真と請の延長線上水平まで 請と花器口の1/2
⑦見越(みこし) 正真に沿うように、真の陰方斜め後ろに。 真より短く 真の出所と正真の間(上段除)
⑧胴(どう) 正真前方45度。花形全体を引き締める。 正真と同じ長さのを中くらいに。 請と控枝の間
⑨前置(まえおき) 胴の下、水際から7㎝で垂直に前へ。 胴より葉一枚分長く。 流枝より少し低く。水際より7㎝。
⑩陽留(ようどめ) 水際より7cm垂直に左前へ。 花器より少し長く。 水際より7㎝。
⑪陰留(いんどめ) 水際から7㎝で垂直に右前へ。 花器より少し長く。 流枝より少し低く。
⑫後囲い(うしろがこい)
正真より短く
⑬副下あしらい(そえした)

副より2cm下
⑭請内あしらい(うけうち)

請けと同じ位


割りばしにフローラテープを巻き、真の後ろに支えとして立てる。
ワイヤー(18番白)を6㎝くらい折戻し、

【真】  長さ7。鉄砲百合にビニールテープとフローラテープで巻きつけ、左後45度に曲げる。
②【正真】桔梗(真の1/2の長さ)をワイヤー(26~28)で支柱に固定。
【請】  長さ5。鉄砲百合 正真より低く。出所は真と水際の1/2
④【副】  雪柳 
【控枝】長さ3。鉄砲百合
⑥【流枝】雪柳 直角に折り曲げて、ワイヤー(22黒)で曲げる。
⑦【見越】雪柳 
⑧【胴】メリー3本。正真と同じ長さのが1本。ワイヤー(22黒)。出所は請と控枝の間。
⑨【前置】ルスカス ワイヤー(22黒)で出所の周りをぐるぐる巻く。前90度
⑩【陽留】撫子 大中小
⑪【陰留】玉シダ ワイヤー(26黒)。掌くらいまで葉を残し、茎を三つ折り、ワイヤーで巻く。
⑫【後囲】ドラセナ 正真より少し短く
⑬【副下あしらい】ニューサイラン 110度くらいに折り曲げて、ワイヤー(22黒)で曲げる。
⑭【請内あしらい】桔梗 ワイヤー(20白)。出所は、請と同じかやや高い所。


< 役枝の方向 >






2013年7月23日火曜日

立花② アガパンサスの三場所使い(真・請・控枝)

2013年7月18日(木)1:30~4:30

立花正風体(りっかしょうふうたい) 】

立花正風体は池坊立花の伝統的な美感と、七つあるいは九つの役枝からなる構造を基本とし、花形の骨組にならって構成されます。また、複雑で多彩なその構成は、自然のおもかげや雄大な風格を表出します。

  ◆ 除真立花(のきじんりっか) 本勝手(左手に真)…真が中心線よりずれている
 ◆ 直真立花(すぐしんりっか) 真が中心線上


先生 正面


出・出所(しゅっしょ)~中心から枝分かれするところ
 全ての役枝は、出の位置と方向が決まっている。

【役枝の名称と働き】
名称 働き 長さ 出所
①真(しん) 真は一瓶の役枝の中心となる重要な枝。 器の3倍 中段除(ちゅうだんのき)
②正真(しょうしん) 正中線上に位置し、他の役枝の配置の基準となる。 真の1/2 下から
③請(うけ 陰方(右)斜め後ろへ。 真7:5 真と花器口の1/2(下段除)
④副(そえ) 真の除き口の下から、陽方の真に沿うようにでて、枝先は真の斜め後ろへ向かう。
真のすぐ下から
⑤控枝(ひかえ) 陽方下doneから出て副のしたの空間を整える。流枝とは違う素材で、流枝より少し高く。 真7:3 請と流枝の1/2
⑥流枝(ながし) 請と控枝とのバランスをとって。請と違う素材で。 真と請の延長線上水平まで 請と花器口の1/2
⑦見越(みこし) 正真に沿うように、真の陰方斜め後ろに。 真より短く 真の出所と正真の間(上段除)
⑧胴(どう) 正真前方45度。花形全体を引き締める。 正真と同じ長さのを中くらいに。 請と控枝の間
⑨前置(まえおき) 胴の下、水際から7㎝で垂直に前へ。 胴より葉一枚分長く。 流枝より少し低く。水際より7㎝。
⑩陽留(ようどめ) 水際より7cm垂直に左前へ。 花器より少し長く。 水際より7㎝。
⑪陰留(いんどめ) 水際から7㎝で垂直に右前へ。 花器より少し長く。 流枝より少し低く。
⑫後囲い(うしろがこい) 正真より短く
⑬副下あしらい(そえした) 副より2cm下
⑭請内あしらい(うけうち) 請けと同じ位


割りばしにフローラテープを巻き、真の後ろに支えとして立てる。
ワイヤー(18番白)を6㎝くらい折戻し、

【真】  長さ7。アガパンサスにビニールテープとフローラテープで巻きつけ、左後45度に曲げる。
②【正真】ヘレコニア(真の1/2の長さ)をワイヤー(26~28)で支柱に固定。
【請】  長さ5。アガパンサス 正真より低く。出所は真と水際の1/2
④【副】  アレカヤシ 
【控枝】長さ3。アガパンサス
⑥【流枝】ニューサイラン 直角に折り曲げて、ワイヤー(22黒)で曲げる。
⑦【見越】アレカヤシ 
⑧【胴】メリー3本。正真と同じ長さのが1本。ワイヤー(22黒)。出所は請と控枝の間。
⑨【前置】ナルコユリ ワイヤー(20黒)を後ろに沿えて、ワイヤー(26か28)で粗く巻く。前90度
⑩【陽留】撫子 大中小
⑪【陰留】玉シダ ワイヤー(26黒)。掌くらいまで葉を残し、茎を三つ折り、ワイヤーで巻く。
⑫【後囲】ルスカス 正真より少し短く
⑬【副下あしらい】ニューサイラン 110度くらいに折り曲げて、ワイヤー(22黒)で曲げる。
⑭【請内あしらい】ヘレコニア ワイヤー(20白)。出所は、請と同じかやや高い所。


< 役枝の方向 >






2013年7月14日日曜日

立花① ひまわりの三場所使い(真・請・控枝)

2013年7月11日(木)1:30~

立花

立花の様式は、室町時代に書院造という建築様式が造り出され、それを構成する一部として、床の間の原形となる押し板が成立したこと によって生まれました。押し板を飾るものとして出発した立て花は、床の間の完成とともに儀式の花、饗応の花として重んじられ、立花としての様式を整えて いったのです。立花は、床の間という空間のなかで育まれてきた様式といえましょう。

立花には、立花新風体と、立花正風体の二種類があります。

立花正風体(りっかしょうふうたい) 】

立花正風体の特徴

立花正風体は池坊立花の伝統的な美感と、七つあるいは九つの役枝からなる構造を基本とし、花形の骨組にならって構成されます。また、複雑で多彩なその構成は、自然のおもかげや雄大な風格を表出します。

  ◆ 除真立花(のきじんりっか) 本勝手(左手に真)…真が中心線よりずれている
 ◆ 直真立花(すぐしんりっか) 真が中心線上


出・出所(しゅっしょ)~中心から枝分かれするところ
 全ての役枝は、出の位置と方向が決まっている。

【役枝の名称と働き】
名称 働き 長さ 出所
真(しん) 真は一瓶の役枝の中心となる重要な枝。 器の3倍 中段除(ちゅうだんのき)
正真(しょうしん) 正中線上に位置し、他の役枝の配置の基準となる。 真の1/2 下から
副(そえ) 真の除き口の下から、陽方の真に沿うようにでて、枝先は真の斜め後ろへ向かう。
真のすぐ下から
請(うけ 陰方(右)斜め後ろへ。 真7:5 真と花器口の1/2(下段除)
見越(みこし) 正真に沿うように、真の陰方斜め後ろに。 真より短く 真の出所と正真の間(上段除)
流枝(ながし) 請と控枝とのバランスをとって。請と違う素材で。 真と請の延長線上水平まで 請と花器口の1/2
控枝(ひかえ) 陽方下doneから出て副のしたの空間を整える。流枝とは違う素材で、流枝より少し高く。 真7:3 請と流枝の1/2
胴(どう) 正真前方45度。花形全体を引き締める。 正真と同じ長さのを中くらいに。 請と控枝の間
前置(まえおき) 胴の下、水際から7㎝で垂直に前へ。 胴より葉一枚分長く。 流枝より少し低く。水際より7㎝。


①割りばしにフローラテープを巻き、真の後ろに支えとして立てる。
②ワイヤー(18番白)を6㎝くらい折戻し、
③【真】ひまわりにフローラテープで巻きつける。
④ひまわりを左45度に曲げる
⑤ワイヤー(26~28)で支柱に固定。
⑥【正真】リアトリス(真の1/2の長さ)
⑦【請】ひまわり 出所は真と水際の1/2(7㎝の棒を目印に立てて置く)
⑧【控枝】ひまわり 出所は、前置きと請の中心
⑨【副】アレカヤシ 出所は、真のすぐ下。ワイヤーで支柱に固定する。
⑩【見越】アレカヤシ ワイヤーなし。自然に真の後ろに沿わせて。
⑪【流枝】オクラレルカ ワイヤー(22白)中に戸押、26番で曲げる。少し上に向ける。
⑫【胴】メリー3本。正真と同じ長さのが1本。ワイヤー(22黒)
⑬【前置】ナルコユリ ワイヤー(20黒)を後ろに沿えて、ワイヤー(26か28)で粗く巻く。前90度



< 役枝の方向 >



2013年7月9日火曜日

自由花 非自然的表現

2013年7月9日(火)1:00~2:30

・姫ユリ
・デルフィニューム
・ナデシコ
・カスミソウ
・ギボシ
 
☆ 七夕物語 ☆

夜空に輝く天の川のそばに、天の神さまが住んでいました。
天の神さまには織姫という一人の娘がいました。
織姫ははたをおって、神さまたちの着物をつくる仕事をしていました。

さて、織姫が年頃になったので、天の神さまは娘にお婿(むこ)さんを迎えてやろうと思いました。
そして色々探して見つけたのが、天の川の岸で天のウシを飼っている、彦星という若者です。

この彦星は、とてもよく働く立派な若者です。 そして織姫も、とてもやさしくて美しい娘です。
二人は相手を一目見ただけで、好きになりました。
二人はすぐに結婚して、楽しい生活を送るようになりました。

でも、仲が良すぎるのも困りもの。二人は仕事を忘れて遊んでばかりいるようになったのです。
天の神さまは、すっかり怒ってしまい、「二人は天の川の、東と西に別れて暮らすがよい!」
と、織姫と彦星を別れ別れにしたのです。

毎日泣き続ける織姫を見て、天の神さまは、可哀想に思いました。
「七日に一日くらいは会ってもよかろう。」
天の神さまは、カラスを呼んで、織姫に伝えるように言いました。

でも、このカラスはうっかり屋。
「七月七日だけは会ってもいいそうです。」と間違えてしまいました。

それから織姫は、一年に一度会える日だけを楽しみにして、七月七日の夜、織姫は天の川を渡って、彦星のところへ会いに行くのです。

言い間違えたことに気付いたカラス。ちょうど同じ頃、他の神さまにも間違えて伝えていたことを怒られて、天に貼り付けにされてしまい、今もまだ言い直しに行けないのでした。

おわり

■自然的表現 ~ありのままの美しさ~

・写実性
・景観美
・季節感
太陽の位置:上から光が当たっているように

■非自然的表現 ~パーツの美しさ~

・内面表現
・心象的表現

太陽:生け手。すべての花は正面に向ける。

2013年7月4日木曜日

生花 アガパンサス一種

2013年7月4日(木)3:00~

 

真の花は花器の中心。
副と体は斜めに広げる。
二株に見えるように。

和合の内(わごうのうち)…葉の表側がすべて花側に

広葉物(ひろはもの)の扱い…葉は細いけど、広葉物の扱いと同じ
 (反)長葉物 あやめなど
 (似)アマリリス ただし花は、和合の外
 
真副の間 遠き花(しんそえのま とおきはな)…副の高さは真1/2以下(普通は1/2~2/3) 

・花器…広口、水盤など

陰葉(いんば)一枚多く…裏向きの葉が一枚多い

横から見たところ